偽診断書 | 大阪/京都/兵庫/岡山/広島

偽診断書

偽診断書

 

肝臓手術を受けた患者が相次いで亡くなった群馬大学病院(前橋市)で、新たに深刻な問題が浮上した。

  3日開かれた記者会見で、執刀医による診断書の虚偽記載が明らかにされた。「何を信じたらいいのか」。遺族らは病院に不信感を募らせた。

  群馬大病院は、開腹手術を受けて死亡した患者10人のうち、手術から3日目に亡くなった1人について、死後、がんではなかったと判明しながら執刀医が遺族に伝えず、診断書にウソの病名を書いていたことを公表した。

  「命を預けた患者や家族のことを病院はどう思っていたのでしょうか。安全管理体制に問題があったことを重く受け止めてほしい」

  開腹手術で父を亡くした女性は、この事実を知り、声を震わせた。

  女性の父親の死亡は、腹腔鏡ふくくうきょう手術で患者の死亡が相次いでいた時期と重なる。「診療科で死亡症例の検討が徹底されていれば、父の死は防げたのでは」との思いが消えない。腹部の張りや痛み、縫合部からの体液の漏れが止まらないなどの手術後の症状は、腹腔鏡手術で死亡した患者の経過と似通っている。「真実を知りたい。調査を徹底してほしい」。女性はそう訴える。

  腹腔鏡手術で亡くなった患者の遺族も、診断書の虚偽記載には衝撃を隠せない。母親を亡くした女性は、「信じられない。人の命は重いものなのに......」と絶句した。

  調査結果について病院から報告は受けたが、説明に十分に納得できたわけではない。問題のある手術を、なぜ執刀医は繰り返したのか。診療科としてなぜ止められなかったのか――。疑問に答えるものではなかったためだ。