男女間の強要 | 大阪/京都/兵庫/岡山/広島

男女間の強要

 

男女間の強要


一人の男と出会い、交際を始めた。「会社に着いた」「今から昼休み」。携帯電話メールの普及に伴い、自分の行動を逐一報告するよう要求された。


 連絡を怠れば、怒鳴り声を上げて勤務先に電話してくる。メールの頻度は15分ごとに増えた。連絡を絶つと実家や祖母の入院先にまで押しかけてきた。


 限界を感じた21年10月、わらにもすがる思いで県の相談機関に連絡。一時保護施設(シェルター)にかくまわれた。女性の携帯電話に1週間で40回以上連絡してきた男は翌11月、ストーカー規制法違反容疑で逮捕された。


 安心したのもつかの間、3カ月後に下った判決は懲役6月、執行猶予5年。すぐに男は野に放たれた。


 予想を裏切る軽い罰則。迫り来る男の"影"への恐怖に身震いした。


軽犯罪法以上、刑法未満


 ストーカー規制法は、21歳の女子大生が元交際相手の男らが雇った男に殺害された埼玉県桶川市のストーカー殺人事件(11年)を受け、12年5月に議員立法で成立、11月に施行された。


 通常の罰則は懲役6月以下か50万円以下の罰金で、公安委員会の禁止命令に背いた場合は懲役1年以下か100万円以下の罰金。懲役刑でもほとんど執行猶予が付くのが実情だ。


 なぜ、罰則が軽いのか。


 被害者を街角で待ち伏せて見つめ続ける。ふられてもあきらめず、交際を迫る。こうした個々の行為は一般的に犯罪としてとらえにくく恋愛との線引きも難しい。だが、反復・継続すれば被害者の平穏な生活を害する犯罪となる。

 この場合、「拘留または科料」と罰則の軽い軽犯罪法で取り締まるだけでは不十分だ。一方、刑法で対処する脅迫などの事件や殺人などの凶悪事件に発展してからでは遅すぎる。