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性生活トラブル

 

性生活トラブル


 男性が性生活を一度断った際、妻は「なんで言うこと聞いてくれへんの」と激怒。毎日の"義務"はその後もしばらく続き、1年半ほどで終わった。男は「助かったと思った」と振り返った。


 18年ごろ、マンションから一戸建てに引っ越した。そこでは「アダルトビデオを見た夜はエッチする」というルールができた。ビデオを見ていない夜の場合、男が誘っても妻はきっぱりと断った。

 ほかにもルールがあった。男が下着を脱ぎ、いざ事に及ぼうとすると、潔癖症の妻から「手、洗ってへんやろ」と注意された。「萎えますよね」。男は証言席でうなだれた。


 破産、別居、再び同居

 一方で家計は圧迫されていた。検察側の冒頭陳述や男の供述によると、妻の発案で買ったキャンピングカー2台(計約540万円)に加え、以前のマンションと一戸建て(購入金額計約7500万円)のローンも残っていた。男は妻に言われて土日もアルバイトに出たが窮状は好転せず、22年に自己破産するに至った。

 自宅の売却も余儀なくされ、男は妻と別居することにした。だが一人暮らしを数カ月続けたころ、妻から食事の誘いのメールが届き、23年9月ごろから同居生活を再開。2人は事件現場となるマンションに引っ越した。


 正月やゴールデンウイークは、妻がビデオ店で映画のDVDを10~20枚借り、鑑賞する日々が続いた。男は「勘弁してくれと思った。でも、けんかを避けたかったので口には出さなかった」と打ち明けた。


 切れた「糸」

 そして事件当日の昨年5月17日も、男は妻と映画のDVDを見てから寝た。だが欲情して目が覚める。隣で寝ている妻を誘ったが、妻は「手も洗っていないし、(アダルト)ビデオも見てないやんか」と拒んだ。


 この一言が引き金となった。「また、そんなこと言ってと思って...。今まで我慢していたけれど、このときは、ずっと張り詰めた糸が切れた」。法廷で声を震わせ、当時を振り返った。

 男は妻の体に馬乗りになり、両手で数分間にわたり首を絞めた。妻の胸に耳をあて、ゴクンと息が止まる音を聞いた。自分のしたことが怖くなった男は犯行の隠蔽を図った。


 翌18日未明に遺体に布団を巻き、破れないよう布団袋を二重にして梱包(こんぽう)。遺体を車で勤務先の駐車場に運び、目撃されないよう警戒しながら穴を掘って埋めた。

 遺体の腐敗により遺棄現場が沈下し発覚するのを防ぐため、セメントをまいて固めた。さらに妻の勤務先に電話し、「鬱病で出社できない」と伝えた。

 不審に思った勤務先の関係者が大阪府警に通報。男は任意の事情聴取を受けた後に逃亡して九州や四国を転々とし、5月28日に徳島県で身柄を確保された。


 「ばかだった」と謝罪


 「妻は、これからしたいことがいっぱいあったと思う。その思いを一生忘れずに死ぬまで償いたい。遺族にはつらく悲しい思いをさせ、私はばかでした。すみませんでした」


 妻の遺族も被害者参加制度を利用して出廷していた。男は遺族に謝罪し、泣き崩れた。


 地裁は12月25日の判決公判で、男に懲役15年を言い渡した。


 裁判長は判決理由で「強固な殺意に基づく悪質な犯行」と指弾。情状をめぐる被告側の訴えを「被害者との生活に不満を感じていたにせよ、殺害に及ぶほどの事情とは到底いえず、身勝手だ」と一蹴した。


 男は「死ぬまで償う」との言葉を忘れなかったのか控訴せず、1審判決はそのまま確定した。